熊本駅からフェリーで島原へ。海を渡る旅のはじまり
九州横断の旅といえば列車を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、今回はあえて海ルートを選びました。熊本駅から熊本港へ向かい、フェリーで島原港へ渡るコースです。
熊本港へは無料送迎バスを利用

熊本から島原へ向かうフェリーは熊本フェリーと九商フェリーの2種類があります。今回は熊本駅から熊本港への無料送迎バスが利用できる九商フェリーを選びました。フェリー乗船料も1,180円とこちらのほうが安いので、迷う余地がありませんね。
送迎バスは予約が必要だったので、電話にて往復分の予約をしました。実際には現地のチケットカウンターで予約する人もいたので、当日予約も受け付けているようです。
https://www.kyusho-ferry.co.jp/bus/
いざ乗船

バスでタラップまで移動後、フェリーへ乗船していきます。出発の10分以上前には到着するので、乗船後売店でフェリーの乗船料を支払います。支払いはPaypayなどQR決済もできました。
船の甲板は海鳥の巣窟

有明海を進むフェリーの甲板に出ると、想像以上の数の海鳥が船を追いかけてきます。潮風の中で羽ばたく姿は、ただの移動時間を「観光」に変えてくれる瞬間でした。船内で販売されているお菓子を上げている乗客もいるので、海鳥がぞくぞくとやってきます。

島原港へは所要時間はおよそ30分。長崎や熊本の島々を眺めながら進む航路は短いながらも、旅情をしっかり味わえる航路です。
レンタサイクルで巡る、コンパクトな城下町

島原港に到着したら、まずはレンタサイクルを確保。島原は観光地が比較的コンパクトにまとまっているため、自転車との相性が抜群です。
島原港の観光案内所にて電動自転車をレンタルできます。1日1,100円と少し高いですが、後述するめぐりんチケットを購入すると800円に割引されます。

六兵衛で味わう素朴な郷土麺「ろくべぇ」

島原に来たら外せないのが、郷土料理「ろくべぇ」。立ち寄ったのは地元で長く親しまれる発祥の店六兵衛です。

さつまいも澱粉を使った半透明の麺は、うどんとも違う独特の食感。つるりとしながらも、どこか素朴で滋味深い味わいが印象に残ります。自転車移動で体が冷えていたので、温かい麺は染み入る美味しさでした。派手さはないけれど、旅の記憶に静かに残る一杯。
https://tabelog.com/nagasaki/A4203/A420302/42000620/
武家屋敷跡は用水路の流れる静かな場所

次に向かったのは城下町の面影を色濃く残す武家屋敷跡です。ここでは水路沿いに整然と並ぶ石垣と白壁が印象的です。観光地化されすぎていない静けさがあり、かつての住宅跡を辿る時間は、まるで時代を巻き戻すような感覚になります。

当時の生活を忍ばせる各住居跡は無料で入ることができます。このような施設で畳の上に入ることもできるのは珍しいのではないでしょうか?屋内でゆっくりと当時の様子に思いを馳せます。

屋内の装飾なども楽しみながら、1時間ほど堪能してしまいました。欄間にくり抜かれたうさぎも可愛いですね。
城下町を超えて島原城へ
城下町を更に進んで、強烈な坂を越えた先にそびえるのが島原城。復興天守ながら、天守最上階からは有明海と雲仙岳を一望でき、島原という土地の地形的な魅力を実感できます。
しまばらめぐりんチケットでお得に入場

島原城と登録有形文化財四明荘へ行く場合には、しまばらめぐりんチケットの購入がお得です。
島原城は700円、四明荘は400円ですが、両施設へのフリーチケットが1,000円になっています。
それ以外にもお得な特典があるので、公式サイトをご確認ください。
https://shimabaraonsen.com/guide/megurin
姫松屋の具雑煮と、登録有形文化財四明荘

続いて訪れたのが姫松屋。島原名物の具雑煮は、島原の乱の際に保存食を持ち寄って作ったのが始まりといわれています。

たくさんのお餅と根菜、しいたけや凍み豆腐、春菊など具材の多さは見た目以上で、ひと口ごとに異なる風味が楽しめます。
https://tabelog.com/nagasaki/A4203/A420302/42000560/
四明荘でゆっくりと寛ぐ

食後は四明荘へ。明治期の邸宅建築で、庭園を眺めながら縁側に腰掛ける時間は格別です。観光客が少ない時間帯を狙えば、静寂そのものを味わえます。
こちらもさきほどのめぐりんチケットでフリー入場できました。
https://www.city.shimabara.lg.jp/page943.html
しまばら湧水館でかんざらしをいただく
四明荘に団体客が来たので、早々に退散。その後こちらも建物が重要文化財になっている「しまばら湧水館カフェ」へ。

ここで島原の湧水文化を象徴する甘味「かんざらし」をいただきます。白玉を蜂蜜シロップに浮かべた涼菓で、素朴ながら後を引く味わいです。島原の湧き水で作る白玉はぷりぷりで噛むともちもち、シロップと一緒に食べる独特なメニューです。
https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/978
アーケード内の日帰り温泉

島原市内ではゆとろぎの湯で日帰り入浴。旅の途中で温泉に立ち寄れる贅沢は、九州旅ならではです。
入浴料は530円と格安ながら、源泉掛け流しの大浴場、薬湯、水風呂、サウナなど、さまざまなタイプの湯船を楽しむことができます。
https://www.city.shimabara.lg.jp/page2888.html
島原ならではの食事は更に続く

さらに、帰り道ではお好み焼きと大判焼きの中間のような「いなほ焼き」をいただきました。地元の軽食文化を感じる一品で、小腹満たしにぴったりです。
https://tabelog.com/nagasaki/A4203/A420302/42007731/

唐揚げ好きなら鶏の白石へ。注文してから唐揚げを揚げてくれるスタイルで衣は軽く、中はジューシー。出来立ての唐揚げをめがけて地元の方がたくさん買っていく様子は間違いない店だと見込んで訪問しました。
https://tabelog.com/nagasaki/A4203/A420303/42000559/
雲仙地獄は、猫たちの天国

翌日路線バスで向かったのが雲仙地獄。噴気が立ち上る荒々しい景観とは裏腹に、猫ちゃんたちがのんびりと過ごしています。冬でも温泉の地熱で地面が暖かく、猫ちゃんが寝そべってコロコロしている様子がいつも見られます。

眼の前が見えなくなるほどの湯けむりの中を進んでいく体験が無料でできるのはとても貴重なものでした。
地獄を見たあとは、その温泉を堪能

雲仙地獄を見て回ったあとは、その温泉を堪能するため日帰り温泉の「だんきゅう風呂」でひと風呂。素朴な共同浴場の雰囲気が心地よく、観光地化されすぎていない点が魅力です。
入浴料金は150円と格安ですが、浴室には数人用の小判型の浴槽が一つあるのみのシンプルな造りです。PH2.3の強酸性温泉なので、短時間の入浴ながらさっぱりとして体はホカホカになりました。
https://www.unzen.org/spot/yunosato_onsen
地元密着の酒屋「本多屋」で角打ち

入浴後は老舗酒屋の本多屋で角打ちに行きます。本多屋さんは創業1900年の地元密着酒店です。

店内はリノベーションされ、お酒の枡をイメージした店内は100年以上の歴史あるお店とは思えないほどおしゃれです。
そんな店内でいただく地酒飲み比べは1,500円で日本酒3杯を選べて、おつまみもついてきます。
バスの時間まで地元のお酒をいただく時間は、大人の島原旅の締めくくりにぴったりです。

創業当時の酒枡が店舗の一角に展示されていました。
https://www.unzen.org/spot/hondaya
熊本に戻って最後の食事

フェリーで熊本へ戻り、復路も無料の送迎バスで熊本駅へ戻ります。飛行機の出発まで時間があったので、熊本駅近くの黒亭でラーメンを食べます。焦がしにんにくの香ばしさが効いた一杯は、旅のラストを飾るにふさわしい力強さでした。
肥後大津駅から空港へ。ラウンジとプレミアムクラスの余韻
電車で肥後大津駅へ移動し、無料の空港ライナーで熊本空港へ。コンパクトながら清潔感のある空港です。
保安検査後はラウンジASOでビールと焼酎を一杯。九州の余韻に浸る静かな時間でした。
帰路はプレミアムクラスを利用。機内食を楽しみながら、海を渡り、城下町を巡り、温泉に浸かった一日を振り返ります。
そして都内に戻ったら、土日のモノレールは山手線内割引きっぷを活用すると移動費を抑えられます。最後の最後まで、ちょっとした工夫が旅をより豊かにしてくれます。
島原は派手な観光地ではありませんが、水と城と温泉、そして素朴な食文化が静かに息づく町。フェリーで渡るという一手間が、その魅力を何倍にも引き上げてくれました。