海と城がつなぐ広島の旅―福山・鞆の浦・尾道・三原で出会う静かな時間

海と城がつなぐ広島の旅―福山・鞆の浦・尾道・三原で出会う静かな時間

2025年10月28日

今回は飛行機で岡山空港に到着後、倉敷から広島の瀬戸内海沿線を旅行します。倉敷からJR西日本の山陰本線にのって1時間。岡山に関わりの深い福山へ。

夜の到着後、尾道ラーメンを食べよう

福山駅前にある尾道ラーメン「一丁」さんは夜22時まで営業しているありがたい店舗です。到着が遅くなりましたが、多くのお客さんで賑わっていました。背脂こってりなのにあっさり醤油と細麺が今まで食べた尾道ラーメンの価値観をひっくり返すほど絶品でした!

https://maps.app.goo.gl/pU32yxjZ1Do9uvWN6

福山城で感じる再生の歴史

駅の反対口を出ると、すぐ目の前に現れるのが「福山城」です。駅から徒歩数分という立地に堂々と構える姿は、まるで街の守護神のよう。2022年に築城400年を迎えたのを機に天守がリニューアルされ、外観の白壁が一段と輝きを増しました。

戦時中に焼失した後、昭和期に再建されたこの天守は、最新技術を活かした展示が充実しており、福山藩の歴史や鉄砲防御の工夫などを体感的に学べます。特に最上階からの眺めは格別で、瀬戸内の穏やかな海風が城下町の面影をそっと運んできます。
再建と保存の努力によって「失われた城が再び街の象徴として息を吹き返す」という物語を感じられる場所です。

鞆の浦で時間を忘れる港町散歩

福山駅からバスで30分ほど。坂を下っていくと、潮の香りとともに「鞆の浦」の町並みが広がります。
江戸時代の港町として栄えたこのエリアは、今も古民家や石畳が残り、時が止まったような空気をまとっています。『崖の上のポニョ』の舞台としても知られ、どこか懐かしく温かな景色が広がります。

常夜燈の立つ港は、夕暮れ時がとくに美しい時間帯。海に沈む夕陽が家々の瓦屋根を金色に染め、まるで絵画のような光景です。
カフェを改装した町家で海を眺めながら、地元のレモンを使ったケーキやしらす丼を味わうのもおすすめ。観光地というより、暮らしがそのまま残る“港の記憶”に触れられる場所です。

鞆の浦は瀬戸内海の真ん中に位置する港町で、東西の潮がぶつかる「潮待ち」に恵まれた場所です。近くの島々が防波堤になり、円形の港だったため内外多くの船が往来して栄えました。

朝鮮通信使の歴史を伝える福禅寺對潮楼

福禅寺は西暦950年ごろ空也上人によって建立された寺院です。その客殿として1690年ごろ對潮楼が建設されました。瀬戸内海を望むように広く柱が設けられ、向かいの島々を見ることができます。拝観料はわずか200円なので、ぜひともこの場所からの景色を堪能してください。

https://maps.app.goo.gl/KtaePFsKwP86ethLA

尾道で坂道と文学の世界を歩く

福山からJRで約20分、尾道に到着します。海と山に挟まれた細長い街は、映画や文学の舞台としても知られています。
尾道駅から歩き出すと、坂道と階段が次々に現れ、猫たちが気ままに行き交う姿がなんとも絵になる風景。千光寺公園へ向かう途中の石畳には、昔ながらの喫茶店や手作り雑貨の店が並び、ふと足を止めたくなります。

かつての銭湯をリノベーションした小籠包屋さん

尾道のアーケード内には古い銭湯をリノベーションした「大和湯」ではできたての小籠包が食べられます。

店内にも当時のお風呂場の様子がそのまま残っており、いるだけで楽しいお店になっています。

そこから坂を登り、いわゆる尾道らしい勾配と細道を進んでいきます。途中で出会う猫ちゃんたちは皆人馴れしていて、ところどころで撮影会が開かれていました。

三原城跡に残る海城の面影

尾道からさらに西へ15分ほど、三原駅に到着します。駅のすぐそばには「三原城跡」があるというユニークな景観に出会えます。かつて瀬戸内海に突き出すように築かれた水城で、今も石垣や堀の一部が残り、当時の海城の姿をしのばせます。

戦国武将・小早川隆景が築いたこの城は、海と城が一体となった構造が特徴。現在は新幹線の高架下に石垣が残り、過去と現代が共存するような不思議な風景を作り出しています。
駅から直接見学できるため、旅の途中で立ち寄りやすいスポットでもあります。時間があれば、名物の「たこ天」や「三原やっさタコ」を使った料理もぜひ味わってみてください。

城と海をつなぐ広島東部の旅

福山・鞆の浦・尾道・三原、この4つの街はそれぞれ異なる表情を持ちながら、どこか共通して「海と人のつながり」を感じさせてくれます。
鉄道で短時間で巡れる距離にありながら、歴史・文化・風景のバランスが絶妙。日帰りでも十分楽しめますが、宿泊して夜の港町を歩くと、昼間とはまったく違う表情に出会えるはずです。